毎年朝顔を見ると、遠い昔の我が家の朝顔を思い出します。ちなみに、私の田舎は佐賀県の北東にある小さな山村です。ほとんどが農家という村の中で、私のうちは履物と文具の店をしていました。
でも昔のことですし、自分のうちで食べる分の野菜は自分のうちの畑で作っていました。じゃがいもや大根、白菜などは家から少し離れたところにある畑でまあまあ沢山作っていました。そしてネギや春菊やきゅうり、トマト、ナスなどの野菜は家のすぐ西側にあるこじんまりした畑で作っていました。離れたところの畑は祖父が世話し、すぐそばの畑は祖母が世話していました。
祖母はそばの畑では野菜と一緒に花も育てました。家の周りの空いている壁際には松葉ぼたんの粟粒のような種をちろちろ蒔きました。それが家の周りにずらっと花開いたときはとてもかわいくてきれいでした。そして、畑のある西側の壁際には壁から少し離して朝顔の種を3mぐらい蒔きました。祖父が屋根にかかるまでの長い竹を並べ固定させ、朝顔は日に日に伸びて竹にからみつき、夏休みにはとうとう朝顔の日除けとなるまでに成長します。私は窓いっぱいに広がってまだ余る朝顔の日除けを朝一番に見たくて、起きたら西側の窓を開けに急ぎ足で行っていました。
あの窓を開けたときの清々しい気持ちを息子にも、と思うのですが、祖父と祖母が毎年淡々と楽々やっていた朝顔の日除けづくりが私にはまだ一度もやれていません。祖父母だってほんとは面倒だったかもしれません。でもきっと私たち家族が喜ぶ顔が見たくて朝顔の種を蒔いていたのでしょう。だって日除けだけだったら簾をかければいいですもんね(*^^*)
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Date: 2003/08/10 |
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