理想的な水溶性カルシウム
最高!乳酸カルシウムの世界・2
カルシウムの生理学を学びながら、その摂り方を考える |
カルシウム摂取を目的として、例えば小魚を食べるのがいいといいますが、小魚のカルシウム吸収率を考えると、小魚だけで補おうとすれば、どんぶり一杯の小魚を食べなければいけないことになって、とても毎日続けられるものではありません。
ヒジキもワカメもカルシウム含有量が多い食品です。しかし、多く含まれているということと、吸収するということは別問題です。
ヒジキ、ワカメなどは乾燥物で分析して100グラム中に960ミリグラムから1400ミリグラム,牛乳は100グラム中に100ミリグラム含まれています。そうすると、ヒジキ、ワカメは牛乳の9倍も14倍もカルシウムがあるととらえがちですが、実際に、乾燥ワカメ、ヒジキを100グラム食べようとしたら、すごい量になります。
カルシウム量として100ミリグラムぐらいとったら、もうたくさんということになるでしょう。その上、ヒジキなどは吸収されずに、そのまま便となって外へ出てしまいがちです。
つまり、含まれているということと、摂れるということはまたは別なのです。したがって、今の食事では厚生省の調査で量からいっても足らないと言われていますが、質の問題からいったら、もっと足らないと思われます。もう一つ、私たちのカルシウム不足に拍車をかけているのが重縮合リン酸塩の問題です。
添加物の中でカルシウムと対立しているのは、この重縮合リン酸塩で、これは食品や飲料の変色防止、発酵助成剤、PH調節剤、たんぱく質の結着剤等ひろい用途で使われています。特にこわいと思うのは、生野菜にも使われているということで、久米宏さんのニュ−ス・ステ−ションでも出てきましたが、市場で売っている赤みがかったサツマイモはただ洗っただけでなくて、この添加物をつかっているものがあるということです。
重縮合リン酸塩約1%の中にサツマイモを漬けて、5分くらいで上げると赤い色になるわけです。”ニュ−スステ−ション”で追跡調査していましたが、中央市場の人は消費者がこのサツマイモでないと買ってくれない、そこで出荷するときにこの液に漬けるのだということでした。
この重縮合リン酸塩は、カルシウムを腸から吸収するのを妨げる働きがあります。それと同じ働きをするものに、副甲状腺の機能低下を診断するEDTAという薬があるのですが、患者にその診断薬をのませて、腸及び十二腸からカルシウムを全く吸収させない状態にして、副甲状腺がどう動くかを診断するためです。
腸から吸収させない重縮合リン酸塩の能力を、カルシウムバリュ−(CA価)として数値であらわしてみますと、重縮合リン酸塩は、この診断薬と同じぐらいのカルシウムバリュ−があります。要するに、腸及び十二指腸からの吸収をふさいでしまうのです。それだけの力を持っている添加物が加工食品のありとあらゆるものに使われているということは大問題です。
大変問題です。
リンというミネラルは私たちに必要なものですが、問題はカルシウムとのバランスという点で考えなければいけないという点です。母乳の中のカルシウムとリンの比率は、リン1に対して、カルシウムは2です。ということは、成長期の子供はリンよりもカルシウムがたくさん要りますということを神様が教えているのです。成人だったら一対一が理想とされています。
チ−ズはいい食品だと言われますが、リンがものすごく多いけれど、それ以上にカルシウムが多いのです。リンが1000あったら、カルシウムは1100ミリグラムあります。
たいていの食品はリンが100ミリグラムあっても、カルシウムは10ミリグラムしかないというものが今の加工食品は平均するとカルシウムの4倍ぐらいもリンが含まれています。
このようにカルシウム以上のリンを比率上とりすぎているのが現代の食生活です。カルシウム問題を要約しますと、一つに食事からの摂取が足りないということ。ニ日本人は過剰のリンをとっていて、少ないカルシウムも一緒に出してしまうという二つの難問があるわけです。したがって、吸収のいいカルシウムを効果的に食事と一緒に補給する必要があるということになります。
それは安全で、吸収がいいこと、そして、食事と一緒にとるものですから、料理の風味に抵抗がない形のものということになろうかと考えます。 カルシウム源として例えば、骨紛のカルシウムも悪くありませんし、貝殻のカルシウムも決して悪くありません。
カルシウム単体は金属ですから、何かとくっついて化合物になって存在していて、選んだ友達によって性格が変わってくるように、結合する仲間によって、カルシウム(塩)の性格が決まってきます。
水に溶けにくくて固くなければいけないので、骨の場合はリン酸カルシウムになってしまいます。貝殻の場合は炭酸を選んで、炭酸カルシウムとして固くて水に溶けにくいものとして存在しています。これらを原料として私たちがカルシウムを補給すると、水に溶けにくいので胃酸で溶かします。
腸にいくときは十二指腸から胆汁が出て、ぺ−ハ−が酸性から一気に中性になるので、中性の状態でイオン化していなければ腸から吸収されません。そこでイオン化しにくい状態のままで腸にいってしまうと、吸収しにくいまま腸を過ぎて排泄される率が非常に高いと考えられます。
骨紛の場合はほとんど水に溶けず、100ccに0.0025グラムしか溶けません。ところが、体というものは非常にうまくできていて、溶けにくいものでも足らなければとろうとします。吸収する率が15%から、多くて20%です。
これは個体差があって、ある人は30%ぐらい吸収します。しかし、そうした人でもこれ以上はとれないようです。そうすると、普通の人は85%近くは結合物のまま排泄されるという、無駄が起きてきます。
したがって、小魚を食べれば15%は吸収しますから、カルシウム給源として悪くありませんが、ただ、その率が低いことが残念だといえます。
そういう中で、私どもが着目してご紹介してご紹介しているL型の発酵乳酸カルシウムというのは、オランダで砂糖大根とライムを原料としてつくられるものです。
次にそのカルシウムの製造法、使い方と、数多くの動物での実験、臨床例をご紹介しましょう。
ここからが、私どものL型発酵乳酸カルシウムの話です。まず砂糖大根を絞った透過液に乳酸菌を入れて、乳酸発酵させて乳酸をつくります。
そうやってできた乳酸がL乳酸で、これにオランダ地方にあるライム(蟹とかエビなどの甲殻類や貝殻の化石が風化したもの)を乳化状にして加えます。
ライムはラテン語でカルシウムを意味する言葉です。そうすると、ライムの中のカルシウム分と乳酸とがくっついてL型乳酸カルシウムができあがります。このオランダの工場は、乳酸とその工場は、乳酸とその誘導体の世界最大メ−カ−で、非常に衛生的に、厳しい品質検査のもとにつくっています。
そして何よりも、使われているサトウダイコンが天然もので、一緒に一緒に入れるライムも天然物であることです。
L型乳酸カルシウムの大きな特徴は、たいへん水に溶けやすいことで、これは骨紛の3,800倍ぐらいも高い率です。すなわち、100ccの水(25度c)で9.6グラム溶けます。温度が高くなるともっと溶けますが、同じ条件における骨紛は0.0025グラムしか溶けません。
水に溶けてなくなるという状態がイオン化−電解です。つまり、カルシウムのプラスイオンと乳酸のマイナスイオンに分かれて、水の中で見えなくなっている状態です。このカルシウムはたいへんイオン化しやすく、したがって非常に吸収性が高いことが特徴です。
もう一つの特徴は、発酵でつくったL型乳酸であるために、体との親和性が非常に高いことです。
L型乳酸のLとは何でしょうか。
体の中で代謝され、使われる乳酸もすべてL乳酸です。全く体の中で使われないのはD乳酸です。石油からつくられる合成法の乳酸がありますが、これはDL型乳酸といって、L型とD型が半分半分入っていて、半分は使われないものです。
そういうことでL型の乳酸のために、このカルシウムは体の中の親和性が高いということで、WHO(世界保健機関)やFAO(国連食糧農業機関)が公認推薦しています。それは骨紛と比較してではありません。
合成法のいわゆるDL乳酸と比較して、あるいはD乳酸と比較して、毒性等のテストをした場合に、DL型乳酸は使われないものが入っているために、乳幼児には使ってはいけない、というのが国連の見解なのです。そして、L乳酸については摂取する量に制限の必要はない、というただし書があります。
医療のほうでは、このL乳酸を縮合した重縮ポリ乳酸を、お腹を切った後の糸を抜かない糸として使っています。
体の中に異物として残っても、体の中と同じ成分であれば抗体をしめさないのです。それぐらい親和性が高いわけです。
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