とりあえず、練習場の確保をと 考えリハーサルスタジオがある、長崎のP楽器店の前に来ていた。そして、P楽器の店長に お願いする事にした。 こちらが 出した条件は お店のお手伝いをするから空いた時間 練習を させて下さいだった。すんなりOKだった。 更にアルバイト代もくれるという..月に1万円だったが 練習ができて 1万円もらえるとは ラッキーだったが、しかしその金額じゃ生活ができない、 もう一つぐらいバイトを しなければと ふたたび バイトを探すため歩き出した..
東京でのにがい経験から 食いっぱぐれのない、食べ物屋に 焦点を 合わせ、探しまわって、そして長崎でも有名な料理店に いちかばちか 入ってみる事にした「どうせ 食べるならおいしいほうがいい」めちゃ 単純な理由である...ロンドンブーツに ロングヘアーのロックかぶれ野郎をもちろんやとってくれるはずが なかった あっさり断られた、が しかし ここで引き下がるわけには行かなかった....
なんとしてもここで バイトし、豪華な晩飯を 確保したかったので、逆に、じゃどーしたら雇ってくれるかを聞いてみた..すると..髪を
きって まともな かっこを明日までに してくれば雇ってくれるという答が、帰ってきた。簡単なことだ
要するに普通のかっこを して髪を切れば 豪華な晩飯付きバイトが出来るんだ。ロッカーとしての
プライドは ないのか?と 言われそうだか、カッコでやるわけではないので髪を切るぐらいへっちゃら
だ!それより晩飯確保のほうが ウエイトは 上なのさ.....
そして 昼楽器店、夜料理店のバイト生活が 始まったわけだが...実は その料理店では.....
(尚、場所、店名、職種、名前等は変えております あしからず;^_^)
翌日ばっさり髪を切り、世間でいう普通のカッコをし その料理店にいった、結果はOK!そしてその日から豪勢な夕食付きのバイトが
始まった...最初は 皿洗いからだ..バイト初日なのでなかなかうまく洗えない先輩方から
やさしくもきびしい指導のお言葉を たくさん受けつつ時間がすぎ、待望の夕食に近づいていった...
先輩から「飯、いってこいよ」の言葉を聞いた時、世界一の笑顔で「はい!!!」と答え、食堂へと向かった、食堂は
本館から少し離れたとこにあった 腹の虫が鳴くのを 押さえつつ席について豪華な夕食をまってると後から来た仲居のおばちゃんが笑いながら...
おばちゃん「そこに すわっとっても だいも 注文ば とりこんよ」(そこにすわっていても誰も注文を取りに来ないよ」
たつろう「へ?」(え?)
おばちゃん「あそこんいって わがで ついでこんば」(あそこに いって 自分でしなければ」おばちゃんの指の先を
見てみると...そこには、大きな釜と大きなずん胴があった恐る恐る近づいて見てみると釜は
ごはん、ずん胴は 味噌汁、そしてちかくのおお皿に たくわん、これだけだ..どこをさがしても豪華な夕食はない。今考えると
当たり前の 話だが、従業員に店で出してるものを 食わせるはずがなかったのである............
よ〜し こうなりゃ質より量だと考え方を変え、どんぶりに大盛りのご飯をつぎ味噌汁をおわんになみなみと入れ、ガツガツと豪快な夕食を
取りながら ふと食堂奥の部屋を見てみると そこには豪華な雀卓があるではないか..
仲居のおばちゃんに それとなく聞いてみると 店の経営者が麻雀好きで、閉店してからいつもやってるらしいということだ
豪華な夕食は だめだったが..豪華な雀卓には、ありつけそうだと 思ったのだが.......
ちゃんと昼のバイトで音楽修行は つづけて いましたので その辺は後ほど...(^^)
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バイトに入って約 一週間が過ぎたころ、ちゃっかり仕事先の先輩方、店長とかと豪華な卓を囲んでいた....
こういう流れに持っていくのは もって生まれた才能だと自分でも感心する ようするにずうずうしいのである。さて
肝心の麻雀の成績だが..店のご主人は たいしたことがない がしかし 2人の先輩方がやたらつよいのである。1人は
バイトの大学7年生のKさん 、7年も 大学に行っててきっと麻雀ばかりしてたのだろうとにかく負けない。もう1人は、板前のAさん、40才ぐらいであろうか、歳を食ってる分勝負の駆け引きが絶妙!..........
一ヶ月目のバイト代は この二人にもってかれた..しかし ただでもってかれたんじゃない、この二人か学ぶことは沢山あった。たとえば....捨て牌の読み方、相手の聴牌の時期、目の動き、点棒を考えながら打つこと、洞察するということ、等
いま 思うと当たり前のことだが 当時、ただ野生の感で打ってきた 私には どれも勉強になることばっかりだった。二ヶ月目のバイト代は、なくならずにすんだ...この時期に二人の先輩から盗めるだけのわざを盗んだのだ..
三ヶ月目...その収入は バイト代を はるかに超えていた、まったくいいバイトだ...店のご主人は、あいかわらず
負け続け...二人の先輩と私に給料プラスそれを 支払うはめに、なったのである..この頃にはバイトの後輩もでき、一人前に仕事を
教えてやったり したのだがほとんど麻雀のことと上手につまみ食いをする方法を伝授していた。
いろんな人がいた...宗教家のSさん ...この人は 話を始めると すごく夢中になって思わず熱い鉄板に両手をついてしまい、おおやけどを 負って両手包帯で毎日休まずに バイトに来たというまじめで熱い人だ.......
料理搬送リフトにはいって 注文品を直接手渡ししてくれる新米板さんのBくん...ちょっとおかまっぽい主任のOさん。この人は
お店の皿を 100枚ぐらいいっきに割ってしまうという荒技を 披露してみんなをたのしませてくれた...
そんな中、油ですべって、手に持っていた 海老を 天井に張り付かせてしまうという私もいたのだが、とにかくにぎやかに バイトを初めて半年が 過ぎたある日仕事がおわり 後かたずけを してる時電話がかかってきた。
電話の相手は、バイトの後輩の中でも特に仲良くしてたちょっと ヤンキーなUくんだった.....Uくん「もしもし
ちょっとヤバイことになったんです......来てくれませんか?」声がふるえてる...たつろう「どーした?..」と
わけを聞いてみるとギャンブルで大変なことになってるらしいのだ、場所を聞き急いでいってみると
そこは こわい人たちが たむろしている雑居ビルの一室だった恐る恐るドアを開けてみるとてっきり麻雀だとおもって来たのだが..それは
違っていた..................
そこに あったのは どんぶりと サイコロが3つ...日本古来からのゲームチンチロリン!ルールを簡単に説明しよう。まず親と子を
決め、勝負は親vs子となる つまり 親が1人、子は 何人でもいい子が4人ならば1対4の戦いだ...
ゲームの内容は 3つのサイコロを どんぶりのなかに 振ってその出た目で 争う単純なゲームだ、単純なだけに勝負は 早く、すごく熱くなってしまい ほとんど倍倍ゲームに なってしまい最後には取り返しのつかない金額になってしまうという おそろしい賭博だ!ルールによっては この倍掛を 禁止する場合もあるが、そのほうが身の為だ.....
もうすこし説明しよう、サイコロを 振るチャンスは 3回あるこの3回のチャンスで出目をだせば
いいのだが、出なかったら 即負け!出目の説明は ここでは 避けておきましょう..とりあえず親が六をだすと即
勝ちに なる..話を もどそう......
U君は 昔から付き合いの とてもファンキーな 人達から、このゲームのお誘いを受け断りきれずにやってしまったという、そして案の定負けてしまい
借用書まで書かされていたのだ、その金額は....とても払いきれるものでは、ない。
それで電話を かけてきて 助けてくれ と いうことである..助けてと いわれてもとても助けてあげられる金額ではない。手持ちのお金は、バイト代を
もしやと 思い前借りしてきた 5万円少々..ぜんぜんたりない、ここは火中にとびこむしかないと思い、その人達に
お願いをして それに参加させてくれ と いうしか方法はなかったのである...
ファンキーな 人達に してみれば、飛んで火にいる なんとやら ある..かもがまた来たと思い2つ返事で
OKだ。しかし、この雰囲気は こわい...心臓が 口から出そうになるぐらい
鼓動がはげしい、この緊張感はいやな感じだ..
そしてゲームが 始まり まずは 子からのスタートだ最初は 小さい金額から はっていく..なかなか勝てない...どうもおかしい
条件は 同じはずだが、勝率が 違うのである、なんか変だ....そして麻雀で鍛えた洞察を始めてみた..相手の目の動き..まわりの環境..なにかが
ある! そう気づいたのは、持ち金が半分を切った。
ところだった............わかった!!!!!! それは........
なんかサイコロの 握り方が ちがう ...なるほど あいうふうに 握ると目が出やすいんだ.. しかし
むずかしい握り方だ..いろいろ 頭のなかで 考えて..そして やってみることにした。
子のときに やってもしかたがないので..思い切って「すいません 親を やらしてください!」と
いってみた サイコロの目が 4以下に ならないと 親は 流れないのだが..相手はかもってやろうと
入れたのだから もちろん 大歓迎で 「やってみろや」と低い声で 言われた..
チャンスは たぶん1回きり 私が 親の時に 子は すごい金額を はってくるにちがいない。ゲームが始まった...案の定
とても ここでは 書けないぐらいのはり方だ...ここで負けると Uくんと同じぐらいの借用書書かされ
たいへんな ことになってしまう..まさに ミイラ取りがミイラだ。
ここは 度胸を決めて あのむずかしい 握り方に挑戦しなければ ならない.....そしてサイコロを
なんとか、その握りで かまえた 瞬間!ファンキーな人達から いっせいににらまれ「おまえ...」と
すごまれたが..間髪いれず どんぶりのなかにサイコロをほうりこんだ。
チンチロ..と どんぶりの中でサイコロが おどり 出た目は...111 ピンゾロだ!.....掛け金の10倍もらえる
目だ..すごい金額勝ってしまった..しかし うれしいのは一瞬だけ、血の気が引くような
その場の雰囲気だ..どーしよ マジでこわい..ここは..Uくんの負け分とチャラに
するしかない 勝ってそのまま帰られるはずが ないのだ...
そして チャラに してこの場を 去ることを ビクビクしながら 言うと、あっさり承諾してくれた「またこいよ」の声を
ききながら そこを 出てUくんと 抱き合って 喜び、もう二度とくるもんかと、お互いにちかいあったのである....
後日何度か お誘いは あったが 丁重にお断りし..もう二度と あの チンチロリンのサイコロの音を
聞く事が なかった....................
ずいぶんあとで その筋の人に 聞いたのだが あの握り方は その界隈で 御法度になってる握り方で、それで
すんなり 帰してくれたんだなぁと 謎は 解けた(笑)
こうして 夜のバイトは すったもんだしながらも たのしく やっていたのだが..........昼間に時間がある時
知り合いの運送屋を 手伝っていたのだが そこで 将来の音楽人生にかかわる大変な
ことが おこってしまった! それは..................
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